第9話 「始まり」

 

 香川高校生クイズフェスタ本番!

※あまりにも淋しい、というご意見をいただきましたので、冒頭部分だけ少し追加しました。
 
10時20分。私は今日の舞台となる築地コミュニティセンター前に到着した。開場の12時まで、1時間40分・・・ちょこーーっと早く来すぎちゃったかな。電車乗り間違うとか、道迷うとかすると思ったんだけど、意外とスムーズに来れたし。仕方ない、時間が来るまで3DSでもやるとしますか。マジアカマジアカ♪これって結構難しい問題が揃ってるのよね・・・あ、また間違えた!
(10分後・・・)
あれ?メール来てる・・・淵崎さんからだ。なんだろ?
 
『優子、いつまでそこにおんねん。受付の人に許可取ったから、早よ入ってきいや!』
 
ええっ!?だったらここで待たなくてもいいじゃない。早く入らなきゃ!DSしまって、荷物まとめて・・・あたふた、あたふた・・・
 
絵里奈「よっ。おはようさん。」
優子「お、おはようございます・・・それにしても、見えてるんだったら直接言ってくれればいいじゃないですか・・・」
絵里奈「いやー、あんなにあわてふためくとは思わへんかったからな。それに、セッティング中やったし。」
見ると、大型テレビとPCがセットしてある。さすが淵崎さん。
優子「私も急いでセッティングします!あ、でも一部の機材は神代さんに預けてるんですよ。」
絵里奈「そっか。ウチ、呼ぼか?」
優子「いえ、私からメールしますね。ついでだから会場に入れるって、一斉送信しちゃいます。これで、こうして・・・えい!」
 
(数分後)
みゆき「・・・おはようございます。」
「「おはようございまーす!」」
まず来たのは、すでに会場近くまで来ていた如月みゆきさん。落ち着いてる雰囲気が、いかにも大人って感じ。私もああなれたらいいなー。
絵里奈「無理無理。人には適性っちゅうもんがあるんやから。」
優子「淵崎さん!考えてることにツッコまないでくださいよー!」
如月さんはくすっ、と微笑みつつ、会場備え付けの大スクリーンをセッティングする。あとは、PCとプロジェクターを繋ぐコードがくれば・・・
 
(さらに数分後)
百合子「おはようございます。」
「「おはようございまーす!」」
神代百合子さん、到着!早速コードを受け取り、機材を全部つないで・・・よし、できた!
優子「・・・・・・全然映りませんね・・・まさか、故障・・・?」
百合子「優子、プロジェクターの電源入れた?これ、ずっと赤ランプになってるんだけど。」
優子「え?これって点いてる状態じゃ・・・」
いつの間にか来てた澪ちゃんが、リモコンをピッ、と押す。すると、ランプの色が緑に。
優子「あっ、動いたー!(ぽかっ)いったーい!」
澪「・・・相変わらず、見てて飽きない人ですね・・・くくっ。」
 
その後、他のスタッフも全員到着!セッティングしてギリギリの開始になると思ったけど、打ち合わせの時間が取れた。カットする問題の確認、PCデータの調整、ボード移動のタイミング確認等を行い、12時ちょっと前。本来の会場の時間が迫ったころ・・・
透子「あ、おはようございます!」
参加者数名、到着!しかし今スタッフは最終打ち合わせの最中なので・・・
アクア「どうぞ、こちらでお待ちください。」
アクアさんと椿ちゃんが、参加者を隣の部屋に誘導する。
メグミ「隣っていっても、パーテーション1枚で仕切られただけだぜ?」
ゆみこ「まあ、大丈夫でしょ。早く打ち合わせを済ませて、会場に入れてあげましょう。」
 
百合子「他、もう無いですね?・・・では、受付を開始しましょう。」
12時20分、予定より早く客入れ開始。でも私達スタッフに安息の時は無い。見学者も含めた来客対応、茜ちゃん達はパーテーションを開けて机と椅子の位置を最終調整、梅原さん達は台本覚え、桜井さんと私はフリバ(フリーバッティングの略。自由参加の早押し)の進行を行う。
優子「こちらから順番に座ってください!名札確認させてくださいね。フリーバッティングですけど、パソコンの動作確認も兼ねてますので、点をつけますし、間違ったら1回休みにします。」
ゆみこ「勝ち抜けは・・・ま、厳密にしなくてもいいわね。とにかく時間内にいっぱい点を取った人が勝ちです。」
うん。分かりやすくていいかも。いざ始まると、みんな楽しそう。本当にクイズが好きなのね。
・・・あれ?ところで今日、月葉ちゃん1回も見てないんだけど、どうしたのかな・・・?
 
(その頃、会場外では・・・)
月葉「現在、最後の参加者が会場に向かってます。どうぞ。」
麗子「了解。あとどのくらいで到着しそう?」
月葉「道が混んでいるため、あと10分ほどかかりそうです・・・どうしましょう。予定通り始めますか?」
麗子「みんなと相談しないといけないけど、そのくらいなら待ちましょう。月葉、なるべく早く来れるように、大通りのところで誘導して。」
月葉「分かりました。」
 
こうして、少しトラブルはあったけど、13時10分に大会開始!今回の参加者は、10人。少ないけど、その分めいっぱい楽しんでもらわなきゃ。参加者の顔を見て、改めて気合が入る。
メグミ「皆さん、おはようございます!」
一同「「「おはようございまーす!」」」
メグミ「本日は香川高校生クイズフェスタ・KQFにお越しくださり、まことにありがとうございます。一応大会という形は取っておりますが、堅苦しく考えず、存分に楽しんでいってください!・・・嘘でもいいので拍手をください。」
無理からの拍手の後、第1ラウンドの問題用紙を急いで配る。
実はこのペーパー、問題を作ったのは、私。今回問題を作るうえで、私が掲げた目標は、正解率6〜7割の間でおさまるようにすることと、ある程度点数に差が出るようにすること。初開催の大会なので、難易度調整は完全に手探りなのが不安・・・
絵里奈「極端に正解率が良かったり悪かったりしたら、出題者の責任やからな。」
そんな淵崎さんの言葉を胸に、ストレート系の問題を並べてみた。Q2〜5はご当地問題だから厳しめ、後半のQ17〜20も厳しかったかもしれない。一体どうなるか・・・私一人が舞い上がる中、いよいよ始まった・・・!
 
 
【4時間後】
絵里奈:終わった終わった!いやー、大成功やったな!
聖子:人数面での課題は残ったけど、これだけ盛り上がれば十分でしょう。
優子:また次回もできるといいですね!
 
澪:・・・え?肝心の本番部分が書かれてないって?
だって、参加者用に今回のリプレイ+問題集配布しますから。会場の熱気は、次回皆さんの目で確かめてください・・・くくっ。
 
 
 

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