コラム第20話 「2倍ルール」について

 

 
遥:2013年12月、F1のポイントシステムが来シーズンから改定されることが発表されました。簡単に言うと、ドライバーズポイントとコンストラクターズポイントを、最終戦のみ2倍にする、というものです。
月葉:これについて、多くの人が意見を交わしております。賛否については、ここで触れるつもりはないのですが……
澪:私たちにとって聞き流せないのは、今回の事を比喩する表現として「安っぽいクイズ番組みたい」という類の言葉が使われることです。
 
 
・「ルール」と「お約束」との違い
茜:確かに、よくありますね。司会者が「最後の問題は○○ポイントです」と言って、今までのリードを全て無にしてしまうようなやつ。
絵里奈:バラエティの一種のお約束やしなー。とはいえ、あれを「ルール」やと勘違いされたら困るで。解答者はそのことを知らずにやってて最後にいきなり聞かされるんやから、「厳格なクイズゲームのルール」ではなく、あくまで「お笑い要素の一部」と考えてもらわんと。
澪:バラエティの場合、こういった場合は事前にそのことを言わず、最後になって発表する、という場合がほとんどです。「ルール説明」なら、事前にされていなければいけませんから。
みゆき:……例えばですが、早押しが10問限定で、「1問正解1ポイント、ただし最後の10問目だけ10ポイント」っていうのを先に言われたら、解答者のモチベーションが保てるかどうか……私は疑問です。
百合子:それはもう、「クイズのルール」としては完全に駄目ね。例会だったら許されることではないわ。
優子:うっ!む、胸が重い……(←一度それに近いルールを作ったことがある奴)
聖子:ただ、最後の問題でいくらポイントをインフレされても、誰も答えられなければ意味は無いわよ。
アクア:あ!……それはそうですね。最後の問題の正解者がいなければ、それまでトップだった人がそのまま優勝します。
聖子:ええ。だから厳密に言うと、最後の問題の得点がいくら高くても、トップの人にはアドバンテージがあるわ。今までやってきたことが全くの無駄ではない……ごくわずかなアドバンテージだけど。
絵里奈:でも、その理論でアドバンテージが取れるのは、トップの人だけなんやなー。2位以下は何もないのと一緒や。
遥:そう考えると、やはり不条理なルールであることには変わりないですね。
 
・極端な点数はさておき
ゆみこ:じゃあ、「得点インフレルール」を使ったクイズが全部面白くないのかと言われると、そうでもない。
メグミ:結構あるよな、最後の問題や途中の問題が得点アップする、っていうルール。
透子:『Answer×Answer』でも、山分けクイズのときに2倍チャンスルールが使われています。
麗子:あれから2倍ルールを取ったら、単に「答えた者勝ち」のつまらないクイズになっちゃうわね……
月葉:「100人に聞きました」も、「クイズダービー」も、最後の問題はポイントが2倍になりました。
茜:「ヒントでピント」で、得点2倍の旗が立つ場面はわくわくしました……!
澪:この3番組は、いずれも長く続きました。2倍ルールの「成功例」と言えるでしょう。
まや:私達の例会でも、ヒントでピントをやったことありました。2倍の旗を作って、楠木さん人形と淵崎さん人形を麻生さんが作ったりして。
優子:うん。ほら、この人形!久々のお披露目〜〜(ぱし!ぽいっ!)ああっ!私の作った人形〜〜!
絵里奈:おお、スマンスマン。突然遠投したい気分になったもんやから。
聖子:(あまりにも私達に似てない人形……どうやったらあんな不器用にできるのかしら。)
澪:テレビ番組を元にしたルールでなくても、何らかの形で点数を変化させるルールは例会でも存在します。
メグミ:誰かからポイントを奪ったりとかも、よくやってたよなー。
 
・緩くもあり、激しくもあり……
遥:「スポーツ」はともかく……この業界で得点インフレルールに異議を唱える人はあまり見かけません。
絵里奈:まあ、バラエティのノリに参加者が慣れとる、っちゅうのもあるけど、それ以上に……
聖子:ええ。それ以上に「その場で言われたルールに即座に対処する」という心構えが、私達の中ではできているのよ。
メグミ:途中から得点が2倍になるのなら、その対処法を考える。2倍になったら早めに勝負をかけるのは当然として……
アクア:「最下位の1名が脱落」というルールなら、2倍に入るまでにポイントを積み上げておく、という作戦があります。
百合子:状況やルールによっては、分からなくても押して問題を潰し、早めに2倍チャンスにもっていく戦法もとれるわ。
茜:自分が2倍を行使できるのなら、最善の使いどころを考えます!
ゆみこ:出た問題に答えるだけがクイズじゃない。どんなルールに対しても、自分なりに考えて攻略法を見出す……「見えない」激しい戦いが、ちゃんと展開されてる。
麗子:与えられたルールをどのようにして自分に有利になるように使うか……それもまた、「クイズのテクニック」なのよね。
みゆき:よほど不条理なルールでないかぎり、クイズプレイヤーは全てを受け入れる……
透子:(だから、ここは温かいのです……はい!)
 
優子:あれ?ということは……「クイズはスポーツではない」ということになっちゃうのかな。
絵里奈:ん。三段論法でいけば、そうなるなー。
メグミ:いいんじゃないかな。スポーツであってもなくても、皆が楽しくやれれば、さ。
 
 
 

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