コラム第18話 ようこそ 人狼の世界へ(ルール説明)

 

 
(某ボードゲームサークルにお邪魔してきた月葉……)
これは……面白いです!どのゲームもルールがとてもよく作り込まれてますし、勝利への道筋が複数ありますから、戦略を考えるのが楽しいです。世界には、こんなに素晴らしいクリエイターさんがたくさんいるのですね。
……私も、これをやってみたいです……クイズで。
 
 
(次の日。某会議室)
月葉:……というのを、やってみたいです。
絵里奈:なるほど、海外のボードゲームとコラボするっちゅうのは、面白そうやな。よし、今回はこの線でいってみよか!
月葉:はい!
澪:一口にボードゲームといってもいろいろありますが……今回はどれをやるつもりなのです?
月葉:ええっと、前回やったゲームは、これと、これと……
(机の上に資料を並べる月葉。それをもとに、澪がノートPCで検索をかける。)
澪:……この中だと「人狼」が圧倒的に有名ですね。テレビ番組でも取り上げられてますし。
絵里奈:みんなの心を掴むには、やっぱ馴染みのあるやつから入ったほうがええやろな。
月葉:はい。では、「人狼」をテーマにルールを作っていきます。
 
 
(ルールを考え始めて20分後……)
絵里奈:うーん……あれこれ考えてみたけど、人狼の「1人ずつメンバーが減っていく」という形式が、クイズでは厳しいなー。どうしてもネックになるなー。
澪:「ウィーケストリンク」や「ザ・チーター」が半年で終了したように、解答者が退場していくタイプのクイズ番組は日本では受け入れられないことが実証されていますからね……
絵里奈:あら?澪はん、今回含み笑い無し?
澪:!わ、私だって、真剣に悩むときぐらいありますから……
月葉:では、こちらのゲームはどうでしょう?人狼の発展系ゲームで「レジスタンス アヴァロン」といいます。これでしたら人数は減らないですし、人狼の感覚も十分に楽しめると思います。
澪:……そうね。こっちのほうが、クイズとの相性はいいかも。
絵里奈:んー、ウチとしては、知名度のある「人狼」で行きたいねん。多少ゲーム性や戦略性を犠牲にしても、ネームバリューに乗っかったほうが、世間的に「売り出し」やすいし……のわっ!?
(澪がチェーンを、月葉が手裏剣を手に、絵里奈に向かって投げる構えを取っている。)
月葉:淵崎さん……クイズは参加する人みんなのものです。みんなが楽しめることが最優先です。
澪:ご自分の利益を優先して考えないでくださいね……くくっ。
絵里奈:わ、わーったわーった!今のは軽いジョーク!商売っ気は抜きにするから、その物騒なモン下ろして!
月葉:ありがとうございます……私達もつい熱くなってしまい、すみませんでした。
澪:でも月葉、現実問題として「レジスタンス」は持ってるの?ここに出てるのは人狼のセットだけよね。
月葉:……無い、です……やるとしたら、ボードゲームサークルから借りるか、自作するしか……
絵里奈:じゃあ、人狼のカードが使えるような「レジスタンス」にしよ!それならええやろ?な!
澪:そうですね……ルール上の問題さえ克服できれば、カードは何を使ってもいいですから……
月葉:分かりました。では、ルールは「レジスタンス」、ストーリーは「人狼」で、もう一度ルールを考えてみましょう……!
 
 
(1時間後。)
月葉:……完成、しました……!
絵里奈:攻略法やルール上の穴にもチェックを入れたし、これでバッチリやな!早速、次の例会で使ってみよ!
澪:ところで、今日楠木さんは……?
絵里奈:ああ、あいつなら風邪で寝とる。見舞いに行ったけど、あの分やと数日したら治るやろ……たぶん。
 
 
(以下、実際に使われたルールです。例会で使ったり、ご意見・ご感想等いただければ、幸いです。)
 
 
 
レジスタンス 人狼 〜ウソつきの封鎖〜 ※9人〜12人用ルール
 
【設定】とある中世ヨーロッパの都市。その中に人狼が紛れ込んだ。人狼は昼は人間の姿をしており、見た目では分からない。占い師の指導の下、市民たちは人狼封じの儀式を行うことにする。が、人狼はそれを邪魔するタイミングを虎視眈々と狙っている。また、儀式の鍵となる占い師が襲撃されても、儀式は失敗に終わってしまうだろう。
 
人狼チーム市民チームに分かれての対抗戦。どちらのチームになるか、ゲーム開始前にカードを引く。基本的に、誰がどのキャストになったのかは分からない。引いたカードは表を確認した後すぐに伏せ、他のプレイヤーに見せてはいけない(後述する『占い師の弟子』だけは別)
カードに書かれているキャストの内容は以下のとおり。
【 人狼チーム 人狼…3名 裏切り者…1名(※解答者が11人以上の時のみ) 】
【 市民チーム 占い師…1名 騎士…1名 占い師の弟子…1名 市民…その他全員 】 
人狼は誰が仲間の人狼なのかを知っており、協力して市民チームと戦う。
裏切り者は普通の人間だが、人狼チームの一員として暗躍する。人狼と違い、人狼が誰なのかを知らない。
占い師は人狼が誰なのかを知ることができる。ただし人狼に占い師だと見破られると市民チームの負けとなる。
騎士は人狼と同じだけの戦闘力を持ち、1対1なら負けることはない。
占い師の弟子は未熟ながらも1人だけを占うことができる。
市民は特殊能力を何も持たない。
 
全員目を閉じる。人狼の3人はこっそり目を開け、前のモニターで自分のチームを確認する。
人狼が目を閉じた後、占い師はこっそり目を開け、前のモニターで人狼を確認する。
全員目を開け、クイズ開始。基本となるのは早押し封鎖クイズ。全5セットで、3セット取ったチームの勝ち
・正解した者は、1人を指定しセット中の解答権を封鎖する。(相談は可。30秒以内に封鎖しなければ正解無効。)
・不正解した者は、誰かが正解する、誰も押さない(スルー)、セットが終了するのいずれかになるまで休み。加えて5回目の誤答で失格、その後のセットの参加権も失う。不正解数はゲーム終了まで累積される
残り3人になった時点で1セット終了。その3人のキャストをもとに、司会者はどちらのチームがセットを獲得したかを発表する(結果だけを言い、どのキャストが何人残っているか、とは言わない)。
 
残った3人のキャスト
セット獲得
人狼がいない
市民チーム
人狼が1人おり、騎士がいない
人狼チーム
人狼と騎士が1人ずついる
市民チーム
人狼が2人以上いる
人狼チーム
 
占い師の弟子は、2セット目が終了した後ならいつでも自分のカードをオープンし、誰か1人を指定することができる。その場合、司会者は指定された人が人狼か人狼でないかを解答者全員に公表する。
 
【逆転イベント 占い師襲撃】
このルールでは市民チームが勝つ確率のほうが高い(はず)。よって人狼チームにだけ逆転のチャンスを設ける。
市民チームが3セット獲得した直後、人狼(と裏切り者はカードをオープン。チームで相談し、「占い師は誰か」を当てる(制限時間1分)。正解ならば人狼チームの勝ち。不正解ならばそのまま市民チームの勝ち。
人狼チームが3セット獲得した場合は、そのまま人狼チームの勝ち。
 
※カードは見せてはいけないが、自分のキャストを言うのは構わない。嘘のキャストを言っても構わない。
※封鎖の時は誰と相談しても構わないし、他の人も自由にアドバイスして構わない。ただし、相談した相手やアドバイスをくれる人が自分のチームだという保証はどこにも無い。
 
 
 
 
第1夜へ続く
 
 
 
 
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