コラム第12話

『ナナマル サンバツ』から考える ボタンの押し方ルール

 

 
優子:そんなの、手で押すに決まってるじゃな(ぽかっ)いったーい!足で殴られたー!
麗子:お望みどおりの踵落としよ・・・ちなみに今日はスカートじゃなくてジーンズだから。
 
澪:津島さんのサービスカットを期待していた人は残念でした・・・さて、今日のテーマは、2013年4月に発売された、単行本『ナナマル サンバツ』第5巻です。
透子:まだ見ていない人のため、極力ネタバレは避けて進むのです。はい!
 
 
・「あの」押し方
遥:明良さんが行った「ボタンの重ね押し」は、私達を驚愕させるものでした。
月葉:まず、あれがルール的に認められるのかを議論しなきゃいけないけど・・・
麗子:あくまで「ルール的に」どうか、ですよね?・・・だったらルールの範囲内なら、何だってやるべきよ。勝ちにこだわるって、そういうことじゃないかしら。
ゆみこ:私も「ルール的に」というのに重きを置くと、「違反ではない」ってなると思う。
みゆき:確かに、2人とも相手のボタンに触れることはしていません・・・でも・・・
メグミ:でも、「戦略的に」言うと、あれはNGだよ。もしあれが全チーム認められるんだとしたら、それはもう単なるチーム内独占解答ルールになってしまう。
百合子:あら、私は「戦略的に」もありだと思うわ。正解したからよかったものの、彼が不正解するというリスクもあったでしょう?負けているときに「ギャンブル」に出るのは、別に攻められることじゃないわよ。
聖子:どうかしら・・・あの段階では、正直リスクは少なかったと思うわ。もし彼が外しても、越山君は問題を読み切ってたから、正解してたでしょう。そうなると増える×は1つだけ、まだ失格にはならない。
アクア:そうか・・・同じことをもう一度できる可能性があったのですね。
聖子:2回やって1回成功すれば十分、しかもその間他のチームに解答権が回らない・・・ギャンブルにしては、割が良すぎるわね。
絵里奈:とはいえ、あれやと「ボタンの押し込み」がでけへんし、何より慣れてへん押し方やから、1、2着を確保できるかどうかも怪しいもんやで。それなりにリスクあるんとちゃうかな・・・
茜:で、でも、やっぱりおかしいですよ!私は真っ向勝負でガンガンと!
優子:ううっ、みんな激論!ここは私がきっちりまとめなきゃ・・・ま、いろいろ意見が出てまいりましたが、結局は人それぞれ、よねっ。
遥:なんでTVタッ○ル風なまとめ方なんですか・・・
 
 
・規定
遥:明良さんの言い分がまかり通った理由の1つとして、「今回の例会には、企画書にボタンの押し方に関する規定が書いてなかった」というのがあげられます。
月葉:では、「ボタンの押し方に関する規定」とは何なのかを、考えてみたいのですが・・・
澪:馬鹿馬鹿しい・・・そもそもそのような規定、あるわけがないでしょう・・・
優子:おお、澪ちゃんが珍しく含み笑いもせずに吐き捨てた!
聖子:でも、神田さんが言うのも無理ないわね。「なぜ規定を設けないのか」というよりは、「なぜ規定が必要なのか」という考えのほうが根強いわ。だから「押し方の規定」なんて見たことが無いし、特に決めなくても、私達は自然に手でボタンを押してる。
ゆみこ:そうですね。「自分のボタンを他の人よりも早く押す」「他人のボタンを勝手に押してはいけない」というのは、何も言われなくてもみんなが心の中に持っているものですから。
絵里奈:あえて規定らしきものを挙げるなら、「ボタンは精密機械なので乱暴に扱わない」ぐらいかな・・・
優子:そっか・・・!じゃあ、さっきの続きだけど、苑原会長さんが「それはボタンを乱暴に扱ってはいけないという規定に触れるから、だめです」って言ったらどうだったのかな・・・?
聖子:・・・それでも微妙なところね。「乱暴に扱わない」っていうのも、結局は不文律だし・・・最初の企画説明文章に書いてあれば、問題はなかったのだけど。
メグミ:文章化するしかないのかー。
麗子:それもなんだか面倒な話ね・・・
 
 
・主催者側の対策
遥:確かに、文章にルールを規定してあれば、上記のようなトラブルは防ぐことができます。
メグミ:けど、ルールでがんじがらめにしちゃうっていうのも、なんだかなー。クイズの楽しさを損なうんだよな。
月葉:もう一つの対策として、「小細工をさせないルールを作る」という方法が考えられます。
茜:確かに・・・単純な7〇3×ルールなら、誰も小細工のやりようがないですね。
百合子:問題潰しぐらいはやるけどね・・・ふふっ。
ゆみこ:それくらいなら慣れましたよ、もう・・・
澪:ただ、「全く小細工が通用しないルール」というのも、私はどうかと思います。ルールを最大限活用することで、弱者が強者に勝つことができるというのも、クイズの魅力ですから。
優子:おおー、またも澪ちゃんが熱い!どうしたの?今日調子悪い?(しゅるるっ)ぐええっ!
澪:いたって健康そのものですよ。麻生さんこそ、顔色が悪いのでは?・・・くくっ。
優子:み、澪ちゃん・・・チェーンを首に巻きつけるのは反則・・・
メグミ:なるほど。「不正」と「テクニック」の線引きかー。
アクア:あ、あの・・・優子さんを助けなくていいんですか?
絵里奈:ええんや、あれはあれで。澪はんはちゃんと「線引き」ができる娘やし。
聖子:主催者側の対策としては・・・実際にクイズをする前に、まず頭の中でシミュレートしてみましょう。リハーサルができる環境なら、行うのがベストね。その中でもし「ルール上の不正」ができてしまう場合は、再考の必要があるわ。
ゆみこ:ただし「ルール上のテクニック」とみなされる項目には注意が必要です。それは禁止にはせず、ルール説明時にも「触れずに」、解答者に気付かせるようにしましょう。
茜:麻ヶ丘はやらなかったんですかね?リハーサル・・・
麗子:・・・漫画の演出でしょ。
 
 
PS
絵里奈:もし、あの場面にウチがおったとしたら、こう言うかな・・・「じゃあそれやって、ボタン曲がったらどないしますの。修理依頼するときに、ごっつうイヤミ言われますで。」・・・って。
 
※4月14日 さらに追記
優子:おおっと、偶然目の前には早押しボタンが!漫画のようなことができるかどうか、実際にやってみましょう!
麗子:「偶然」じゃないでしょ・・・
絵里奈:例会前の悪ふざけやな・・・
(で、実際にやってみる・・・)
優子:あ、あれ?ランプ部分が邪魔して、うまく重ならない・・・こうかな?こんな感じ、かな?
アクア:重なることは重なりましたが・・・ぴったりとはいきませんね。
ゆみこ:優子ちゃん、それ押せる?
優子:ゆるく押してみますね・・・(ポーン)
鈴猫:おお、両方ともついたある!
優子:でも、やっぱりこの押し方じゃ「押し込み」は無理ですよ。それにちょっと力を斜めに入れたら、倒れちゃいそうですし。
絵里奈:ま、「あの場面」では何が何でも解答権を奪うしかなかったからなー。
 

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